たまには時事ネタでも。
また外国人技能実習制度の弊害の話である。日本に研修に来ていたベトナム人に対して行われたアンケートで、「おもてなしの国」の実態が報じられた。
その結果、97%(37人)が来日前の日本の印象を「とても良かった」または「まあまあ良かった」と回答したが、来日後の印象では58%(22人)と、約40ポイント減少。来日前は一人も選ばなかった「印象はあまり良くない」は37%(14人)に上った。
いやいやさすがにこんなのはごくごく一部の特殊な事例だろう、と愛国者の方々は思われるかもしれない。なんと言ったってここは美しい国であり、かつ強い国なのであると総理大臣が明言しているのだからして。
でも、実際はもっとひどい。この制度の弊害というか、制度の名の下に行われている犯罪行為は枚挙に暇がないほどだ。以下は昨年の記事ではあるが、外国人技能実習生の死亡者数と死因のグラフが紹介されており、過労死については、日本人の五倍に相当するという。
過労死や自殺以外にも、暴力行為や強姦の事例も報告されているようだ。
(※これに限ったことではないが、パワハラやセクハラという名称も、傷害や強制猥褻というような犯罪性がより明らかになるような表現に替えたほうがいいように思う。いじめも同様) 

この制度を「現代の奴隷制度」というのはむべなるかなで、このあいだ宇宙へと行った宇宙飛行士油井亀美也さんの故郷、長野県川上村でも、相当悪質なことがまかりとおっているという「風聞」が立った(2014)。
日弁連が認定した事実はショッキングなものだ。中国人実習生は、連日の長時間にわたる激務▽残業代の過少計算▽組合による賃金口座の管理▽罰金制度▽劣悪な住環境-などに縛られ、「自己決定権や人間的生活を送る権利が侵害されていた」と結論付けた。
上記記事では村側も一部の農家のことだと反論(事実であるとは認定)しているのだが、まあその「一部の農家」を表沙汰にしなかった組合に責任がないとは思えないし(知らないということもなかったと思う)、隠蔽体質はどうせ否めないでしょ。

で、僕はこういう問題が起こるたびにずーっと思ってきたのだが、これって相手が白人だったらもっと件数は少なかったか、あるいはそもそも起こっていなかったんじゃないか、と。
同種・近種であるアジア人に対する日本人のものすごい差別意識が、こういう問題の一因になっていると僕は考えている。そしてその差別意識は、白人至上主義と表裏一体なのである。
その非常にわかりやすい例が、先般の米国議会における安倍の演説だ。僕は文章を確認しただけで実際の演説シーンは写真でしか見ていないのだが、まあ嬉しそうにしていたよ。そりゃそうだよね。大好きで、自分もその仲間であると心の底から信じている白人のみなさんに「えらいえらい」と言ってもらっているんだから。で、そこで約束したことを国内に戻って辻褄合わせをしようとしたら反撥くらって「早く質問しろよ」とふんぞり返って言って、近隣の中韓には相変わらずのオラオラ姿勢を取りつづけるって、いったいこの男はどこを向いているのだろうか。

そして。
上記とは別に、きょうたまたまラジオから、 日本の名誉を回復するために安倍総理大臣がうんぬん、みたいなニュースが流れてきて、またバカがバカやってるよと思った。なんでも「日本の名誉と信頼を回復するための特命委員会」(こんな名称の組織が自民党内に実在しているというのがもはやギャグ)というところが安倍に提言したというのだが、要はお定まりの「慰安婦の強制連行はなかった」が言いたいのである。提言内容には、
海外に広まった誤解を正すため、政府に対し慰安婦問題について偏りのない出版物の翻訳や国連などでの情報発信、慰安婦像や碑を設置している自治体への働きかけを積極的に行うよう求めたほか、姉妹都市交流や企業間交流などを通じた「『親日派』の開拓」なども盛り込んだ。
とあるのだが、こんなことより、外国人技能実習制度を改善あるいは廃止していくほうが、よっぽど名誉と信頼(がそもそもあるのか知らんけど)を回復することになるんじゃないでしょうかねえ。